2014 年 120 巻 9 号 p. 313-323
ガウス-松山地磁気逆転境界に対比される古地磁気極性逆転層準を三重県の東海層群の露頭で決定した.7層準から堆積岩試料を採取し,残留磁化測定と岩石磁気実験を行った.その結果,露頭内の約3 mの層位区間にガウス-松山境界に対比される極性逆転が記録されており,その中には異常な古地磁気方位を示す層準も含まれることが判明した.今回の結果は東海層群の古地磁気層序と年代層序に一つの重要な基準面を与えるものであり,他地域に分布する鮮新-更新統との層序対比においても一つの重要な手がかりになると考えられる.